国立広島商船高等専門学校
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櫂伝馬の建造技術

   櫂伝馬の建造技術・設計思想の伝承

木下恵介(商船学科)

櫂伝馬は大崎上島及び周辺の島嶼部に古くから伝わる木造和船です。櫂伝馬による競漕行事は地域の無形民俗文化財に指定されているほか、地域の神事としても重要な役割を果たしています。

櫂伝馬は、地域の船大工によって建造されてきましたが、近年の木造和船の需要の激減及び船大工自身の高齢化によって、造り手はほぼ存在しなくなりました。櫂伝馬は木造の船であるため寿命が短く、10年程度で新しいものに造り替える必要があります。しかし、造り手がいないため、櫂伝馬を造り続けることができなくなっており、地域の伝統行事そのものの存続が危惧されています。同時に、櫂伝馬をはじめとする木造和船を建造するための技術も失われつつあり、これを後世に伝承していくために早急に対策を講じなければなりません。船大工による設計思想を受け継ぎ、遺産としてではなく、現在進行形の技術として、後世に残して行かなくてはならないと考えています。

そこで、広島商船高等専門学校では、櫂伝馬の寸法を計測することで、櫂伝馬の船体形状を図面に表わし、船型を解析することで、その設計思想を読み解く試みを始めています。

現在、地域の方々にご協力頂き、1隻の櫂伝馬の計測を終えることができました。これからも大崎上島で櫂伝馬の計測を継続し、出来る限り多くの櫂伝馬の計測を行いたいと考えています。今後とも地域の皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。

図1 手作業での計測

図1 手作業での計測

図2 3Dスキャナでの計測

図2 3Dスキャナでの計測

図3 断面計上データの集積

図3 断面形状データの集積

図4 作成した図面の例 (Midship Section)

図4 作成した図面の例(Midship Section)

(公開:平成28年3月)

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