国立広島商船高等専門学校
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シンポジウム2014-報告

家島でのくらしと取組み

パネラー・中西 和也(いえしまコンシェルジュ

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<家島について>
兵庫県姫路市の沖合に浮かぶ家島は44の島からなる諸島であり、有人島4島のなかでも最も多くの人口が住む家島本島において活動しています。
家島本島には約3,500人住み、隣の坊勢島には約2,500人、男鹿島には100人以下、西島には50人以下が住んでいます。
男鹿島、西島は主に産業用の石を削りだす島であるため人口が少なく、その採った石を船で運ぶ海運業を主な産業として、家島本島も栄えてきました。また漁業も盛んであり、坊勢島は県下有数の漁獲高を誇り、数年前までは人口が増加している珍しい島でした。しかし、最盛期には4島あわせて10,000人以上が住んでいましたが、これら基幹産業の低迷による人口流出が留まることなく、毎年約100人が島外へ移り住む状態となっています。

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<背景と家島との出会い>
そんな家島において観光ガイドを行い、毎年500人以上のお客さんをご案内しております。
しかし、もともと家島の人間というわけではなく大阪で生まれ育ちました。では、なぜ家島に住むことになったか。
私は大学で建築学を専攻し、建築士の免許も取得しましたがどうしても建築業界に身を投じることができませんでした。私が大学を卒業する年はちょうど日本の人口が減少に転じる頃で、多くの空き家があるにも関わらず、まだ建築を続ける意味はあるのかと自問したことで建築からまちというものに興味が移っていきました。そして、まちづくりについて勉強するうちに今後の人口減少社会の日本での最先端地域は人口が増えている東京や大阪ではなく、人口が減少している離島や中山間地域であるということに気付きました。そんな気持ちを抱えたまま大学卒業を迎えたため、すんなりと職につくことができずに数年経ちました。
そんな折、家島において島の観光コーディネーター「いえしまコンシェルジュ」を募集していることを知りました。この企画は島の主婦たちが立ち上げた“NPOいえしま”によるものです。“NPOいえしま”は自分たちで作った家島の特産品を大都市で販売し、家島をPRする団体です。2009年秋、この企画で初めて家島を訪れた私は一気にその魅力にとりつかれました。
島の美味しい食べ物、島らしい風景、そして島の面白い人たちはどれも都会でくらす私にとって新鮮な驚きにあふれていました。そして、企画を通して定期的に家島に通ううちに『どうせ関わるなら家島に移住して関わっていきたい』という気持ちが大きくなり、2011年4月に家島に移住しました。
その際、「生業をつくり、家島で住み続けること」が人口減少社会の日本においての最先端の生き方であると考え、これをミッションとして自分に課しました。とはいえ、家島のことについてまだまだ知らなかったため自分で出来ることは限られていましたので、移住にあたっては“NPOいえしま”に仕事も家も斡旋してもらいました。1年間、漁師のアルバイトをしたおかげで家島の海や魚についての知識を身につけ、鱗もひくことができなかった私が、3枚おろしまでできるようになりました。
また、家島に住み、島の人とたわいもない話をしたり、祭りなどの行事に参加することで、都会の生活には体験することができない島のくらしの魅力を知ることになりました。

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<島の観光ガイドを開始>
そうした魅力を紹介する“いえしまガイド”を2012年4月から本格的に開始しました。
名所旧跡をご案内する観光ガイドとは異なり、私が島に住み、実際に気付いた島のくらしの中にある魅力を都市部からの観光客のみなさんにご紹介するもので、年間500名以上のお客さんをご案内しています。
また、ガイドとあわせて島の人と協力して体験プログラムも実施しています。カヌーで無人島に行き、特製の海鮮弁当を食べる“カヌー無人島ツーリング”は、最も人気のある体験プログラムです。ほかにも貝殻を使って携帯ストラップにするものや島の高校生と島の魚を使った料理体験などを実施しています。
こういった取り組みを続けてきた結果、個人旅行者のみならず、大学のゼミ合宿やフリースクールや理科実験教室の課外学習のコーディネートなども行っています。
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シーカヤック
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料理体験

<今後について>
「家島の日常は都会の非日常」を合言葉に、島のくらしの魅力を体験できるプログラムを開発するとともに、情報発信強化による家島の知名度の向上につなげていきます。
また島の空き家を使ったカフェやゲストハウス、島の人の民家に泊まることのできる民泊事業の展開も検討中です。
<次の頁に続く:家島の人々と生活>


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