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小学校教育支援

小学校教育支援―児童プログラム・探査ロボット操作―

成清 勝博・大和田 寛(電子制御工学科)

概要 竹原市立竹原小学校の宇宙教室の一環として,ロケットまたは探査ロボットの制作協力を依頼された。対象は小学6年生全員ということであった。全員が興味を持って取り組める課題として,LEGOブロックで作成されたロボットをプログラムで動かすプロジェクトを提案した。出前授業を3回行うことにし,1回目はロボットの機能紹介,デモ走行とプログラムの作り方の授業を行った。2回目は授業時間3コマを使い演習を行った。45人の児童を10グループに分け,各グループがロボットの動作を考案し,プログラミングを作成した。その際,電子制御工学科4年生5人と教員2人が手伝った。3回目は公開授業で保護者,関係者の前で成果発表を行った。小学生にはロボットを動かす難しさと,うまく動いたときの楽しさを経験してもらえた。手伝いに参加した本校の学生は,教える難しさと喜びを経験した。成果発表の様子は地元ケーブルテレビで放映され,新聞でも報道された。

キーワード 地域貢献/小学校教育支援/出前授業

1.はじめに

平成25年2月27日,竹原市立竹原小学校から問い合わせの電話があった。5年生の児童が平成25年度夢配達人プロジェクト推進事業に応募し採択されたので,地元の学校から夢配達人となって技術支援をしてほしいとの要請であった。翌年度の6年生を対象に宇宙教室と題し,ロケットの打ち上げか探査ロボットに関する事業を行いたいとのことであった。そこで,電子制御工学科1年生対象の実験実習を小学生向けにアレンジすることを提案した。具体的には,LEGOブロックで組み上げたロボットを宇宙探査ロボットに見立てて,プログラムで自動的に動作させることである。
4月11日にロボット実機を持って小学校を訪問した。校長先生と関係の先生方にロボットを見てもらい,それを動作させるプログラムについて説明を行った。6年生にも何とか出来そうな内容であることを理解してもらい,プロジェクトの実施計画を話し合った。授業を3回行うことにした。1回目は45分の講義形式で,ロボットの説明,デモ走行,プログラムの説明を行い,次回までの宿題を出す。2回目は45分3コマを使い,45人を10グループに分けてプログラミング実習を行う。3回目は公開授業でお披露目を行うことにした。

2.教育内容

2.1 出前授業1回目(6月21日)

ロボット1台を使って授業を行った。まず,図1のスライドを使って,ロボットの説明を行った。左右のモータで動く。モータの回転方向により前進,後退,旋回等が出来る。タッチセンサでボタンが押されているかどうか判断できる。超音波センサで障害物との距離が計測できる。光センサで路面の明るさを調べることが出来る。コントローラはコンピュータ内蔵で,各種センサからの信号を受け取り,判断し,モータの回転を制御する。以上の説明を行った。

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図1 ロボットの説明

つぎに,このロボットを動かすためのプログラムを紹介した。小学生にプログラミング言語を教えるのは困難であるため,図2に示すようなブロックを並べてロボットの動作を指示するプログラム形式とした。

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図2 ロボット制御プログラム

図2に示すプログラムは以下の動作を行う。ポート1につながれたタッチセンサが押されたら,ポートBにつながれた右モータをパワー2で前進方向,ポートBにつながれたモータをパワー4で前進方向に動かし,2秒後停止してプログラムを終了。したがって,ロボットはタッチセンサが押されるまで待ち,押されたら左方向に2秒間弧を描きながら前進する。このようなプログラムを紹介し,さらに光センサを使い,条件分岐を含むプログラムにすればラインに沿って走行させることが可能になることを説明した。
ロボットの機能紹介を行った後,2回目の出前授業の予告をするとともに,それまでにグループごとに動作を決めておいてほしいと宿題を出した。

2.2 出前授業2回目(6月27日)

6年生45人を10班に分けて,それぞれの班で考えた動きをさせるプログラムを作成してもらった。作成に当たっては,多くの質問が予想されたので,教員2人に加えて,電子制御工学科4年生5人に手伝ってもらうことにした。子どもたちから「どう動かしたいのか」「困っている点は何か」を聞き出してアドバイスを行った。

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写真1 出前授業の様子(1)

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写真2 出前授業の様子(2)

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写真3 出前授業の様子(3)

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写真4 出前授業の様子(4)

2.3 出前授業3回目(7月9日)

3回目は公開授業で,保護者や関係者の前で作品の発表会を行った。班ごとにプログラムの説明を行った後(写真5),実演(写真6)を行った。このときの様子が翌日の新聞で報道された(図3)。

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写真5 発表会の様子(1)

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写真6 発表会の様子(2)

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図3 出前授業紹介の新聞記事

3.成果

3回のシリーズ形式,小学校の行事にあわせた日程調整,学生のボランティア参加等を取り入れた出前授業を行った。小学生には,ロボットを実際に動かす経験を通して楽しさを実感してもらえた。また,手伝ってくれた5人の学生にとっては教えることの難しさと楽しさを経験する機会を与えることができた。

4.まとめ

LEGOを使った出前授業は,小学校だけではなく,小学生以上シニア世代まで対象に実施可能であり,本校の学生にとっても異なる年代の人たちとの交流の場を提供できる企画である。今後このような機会をさらに設けて,学生の教育の幅を広げるとともに,地域社会に貢献できる人材を育成していく。
(原稿受理:2014年2月 公開日:2014年4月3日)

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