国立広島商船高等専門学校
文部科学省 地(知)の拠点

MENU

地域交流の現状

地域交流センターが担当する地域との交流活動の現状について

水井 真治(地域交流センター長・商船学科)

概要 本校には、地域の住民・行政・企業との連携窓口として地域交流センターが設置されている。これまでに、大崎上島町をはじめとし,近隣市町の住民・行政・企業との連携・交流活動を実施してきた。平成25年度文部科学省「地(知)の拠点整備事業(COC事業)」の採択を受け,離島高専である本校が「離島の地(知)の拠点」として取組を推進するにあたり、地域交流センターが今後どのような役割を担っていくのか、現在までの活動内容を振り返りながら考察する。

キーワード 社会貢献/地域交流/産学連携/地域イベント参加

1.はじめに

本校は、地域交流センターを窓口として,大崎上島町はもとより,竹原市,三原市,その他にも広島県内外の地方公共団体や学校,博物館等との共催行事などを通して、地域への教育サービスや住民との交流活動を推進している。また,本校と地域産業界との交流活動を推進する組織として産業振興交流会があり、様々な地域の産業振興活動と本校の研究活動への支援を行っている。
平成25年度は、文部科学省「地(知)の拠点整備事業(COC事業)」の採択を受け,これまでの近隣地域との交流活動を維持しつつ,大崎上島町における地域交流活動の拡大と深化を図った。

2.活動の内容

平成25年度の大崎上島地域での交流活動について、その状況の概要を下記に示す。
(1)本校は,大崎上島町に組織されている「大崎上島けんこう文化の島づくり協議会」に加わり,センター長が同協議会の副会長の任にある。この協議会の行事には学生も参加している。
(2)アイドリング・ストップの啓発活動を,平成24年度では、本島フェリー乗り場で月に1回の頻度で行い,授業に支障のない範囲で学生に数回ほど参加させていたが,本年度では時期的に参加できず実績をあげていない。
(3)H25年2月15日(土),16日(日)に大崎上島町が開催した「すみれ祭(旧称は産業祭)」でブースを出展し,広島県地球温暖化防止活動推進センターが作成した広島県版・省エネ診断ソフトを用いて来場者の省エネ度を診断するイベントに,学生2名,教員1名が参加した。同協議会を通じて「脱温暖化センターひろしま」から要請のあった「家庭のエネルギー使用量」について,島内在住の教職員の中から10名余りにアンケートを実施し,回答した。
(4)「大崎上島町公衆衛生推進協議会」の依頼に応え,11月2日(土),「王子の滝」周辺の清掃活動にボランティアを募り学生及び教職員(学生28名,教職員5名)を派遣した。(写真1
(5)広島県立三原特別支援学校大崎分教室から,生徒にiPadの使い方指導の依頼があり,流通情報工学科の岩切准教授と学生3名が,当該分教室で計5回にわたって教授した(写真2)。
(6)「商船生による熟年パソコン講座」は,ここ5年ほど続けて月1回(学生の休暇中は除く)実施している。参加した本年度の熟年受講生13名に修了証書が授与された(2月17日(月))(写真3)。
(7)8月29日(木)に大崎上島中学校の1年生を対象に,広島丸船長・清田准教授を中心に海洋教室を行った。大崎上島中学校からの要請があり,6月に実施済みの事前学習(出前授業)を受けての実施である(写真4)。
(8)11月24日(日),アンサンブル「スピカ」を招き,図書館ミニコンサートを開催した(写真5,6)。
(9)「原子力討論会 in 広島2013(原子力シニアネットワークとの対話)」を本校学生10名,大崎上島町住民15名,主催者側から7名が参加した(写真7,8)。
(10)竹原商工会議所から12月初旬に大崎上島町を含めた商圏に関するアンケートの集計依頼があり,岡山教授とその研究室の学生で対応した。

清掃

写真1 王子滝の清掃(大崎上島

特別支援学校

写真2 特別支援学校での教育支援

熟年パソコン教室

写真3 熟年パソコン教室

海洋教室

写真4 海洋教室(本校練習船・広島丸)

ミニコンサート

写真5 ミニコンサート(本校図書館)

ミニコンサート

写真6 ミニコンサート(本校図書館)

原子力討論会

写真7 原子力討論会 in 広島2013(本校)

原子力討論会

写真8 原子力討論会 in 広島2013(本校)

(11)広島商船高等専門学校産業振興交流会は主として地元企業を会員とする本校と地域産業界との交流組織である(写真9)。平成25年度の主な事業は次のとおり。
・若手研究者助成事業として平成25年度は電子制御工学科濵﨑准教授,及び技術支センター松本技術職員を採択した。
・企業合同説明会を12月6日(金)に開催した。14社が会社説明を行い,学生は本校4年生及び島内の大崎海星高等学校の生徒と教員も参加した(写真10)。
・事務局が近隣の会員企業7社を訪問し,ニーズの掘り起こしを図った。
・3月7日(金),先端企業見学会として安芸郡府中町のマツダ(株)を訪問した。
産業振興交流会

写真9 産業振興交流会・総会

企業合同説明会

写真10 企業合同説明会

3.活動の成果

「大崎上島けんこう文化の島づくり協議会」は,構成員の大部分が「大崎上島町公衆衛生推進協議会」と重複し,ほとんどが70歳前後の高齢者であるが,協議会の諸活動では,補助的役割を行っており,地域の高齢者等とコミュニケーションが取れ良好な関係を維持している。
王子の滝で不法投棄された様々なゴミを清掃したときは,教職員が学生たちに適切な指示を出し,また学生も積極的に動いた。数十年間でたまった廃棄物が半分になった,また掃除していることを町民が認識してくれれば投棄も減るだろう,という感想が聞かれた。
アイドリング・ストップ運動やすみれ祭りの省エネ診断に学生を本格的に関与させるには,事前の学習が欠かせないであろう。しかし,現在でも若い助っ人として十分に活躍している。
熟年パソコン講座は,平成24年度までは1人の教員が行ってきたものが,平成25年度は各学科から教員1人ずつ参加し,センター長を含めて4人で運営した。準備段階は教員が関与するが,実施に際しては中心となる学生と数人の補助学生とで運営する。孫に教わる雰囲気で,参加者も気兼ねなく質問している。内容や進度についても参加者と相談しながら進めている。
本校と産業振興交流会も良好な活動状況を続けている。しかし,本校が具体的な成果を会員企業に還元できてはおらず,地元企業の親睦団体であることの域を脱するために会員企業に向けて本校の知的財産との連関を惹起する新たな活動を創出しなければならない。

4.まとめ

大崎上島けんこう文化の島づくり協議会の諸活動,海洋教室,iPad指導,商圏調査,商工会のイベントなど,依頼があれば必ず対応しているが,その依頼が多くないことが今後に伸長する際における課題である。
地域交流センターとしては,本校の教職員の知財を集めたシーズ集や,出前授業のタイトル一覧を作成し,本校教職員の技能・知識を外に向けてアピールしている。しかしそのタネ(シーズ)だけでは新たに芽吹く可能性が希薄である。
ニーズとシーズをお互いに能動的にすり合わせることが肝要である。様々な機会を提供して,教職員に大崎上島地域へ積極的に出向くこと,また,町民の皆さんに気軽に本校キャンパスへ入り込んでもらう,そこに邂逅が生まれることと思われる。

(原稿受理:2014年2月 公開日:2014年3月29日)

PAGETOP
Copyright © 広島商船高等専門学校 All Rights Reserved.