国立広島商船高等専門学校
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障がい者・高齢者支援

障がい者・高齢者への支援と交流

河村 義顕(商船学科)・今井 慎一(電子制御工学科)
岩井 一師(一般教科)・清田 耕司(広島丸)・村上 定瞭(校長)

概要 平成25年度障がい児(者)の支援・交流活動として,障がい者支援施設祭への参加(ロボット体験コーナーの提供),特別支援学校・中学部高校部学生への教育支援(パソコン教室),障がい者を対象とする山登り及び日帰りバス旅行(2回)を実施した。また,高齢者との交流活動は,1回であった。本報告では,日帰りバス旅行を取り上げ,親の会との折衝,学生の募集,学生への事前教育,バス旅行当日の学生と障がい者との交流の様子,学生への教育効果などを中心に紹介する。
この活動では,親の会の意向と過密な学校行事(定期試験,長期休暇,他の行事)の調整,学生募集と事前教育など,準備に相当の労力を要した。現状では,教職員が企画を担当しているが,将来的には,学生が中心となって企画・実施できることを目指している。一部の学生を除き,毎回,参加学生は異なっている。回数を重ねるごとに,障がい者・高齢者との交流経験のある学生数を増やし,この交流を通して学生達が学び成長することを願っている。

キーワード 地域貢献/障がい者・高齢者/支援・交流活動/事前教育/教育効果

1 はじめに

本校の卒業生の活躍分野は,人間社会の産業・生活に必要な「ハード・ソフト・システムに関する“ものづくり”」や「社会・交通・産業システムの開発・管理」である。人を知ることは,“もの”や“システム”の創造・開発・運用において重要である。障がい者・高齢者の支援や交流を通して,学生が多様な価値観や人間関係力を育むことを目指している。
平成25年度障がい児(者)の支援・交流活動として,障がい者支援施設祭への参加(ロボット体験コーナーの提供),特別支援学校・中学部高校部学生への教育支援(パソコン教室),障がい者を対象とする山登り及び日帰りバス旅行(2回)を実施した。また,高齢者との交流活動は,1回であった。本報告では,日帰りバス旅行を取り上げ,親の会との折衝,学生の募集,学生への事前教育,学生への教育効果などを紹介する。

表1 平成26年度 障がい児・高齢者への支援交流活動一覧

 

対 象 年 月 日 活動内容 参加者(学外を含む総数)
障がい者 25.05.25 障がい者施設祭 学生6名,教員1名
25.11.02 特別支援学校教育支援 学生4名 教員1名
25.11.04 山登り 学生10名,教職員4名(23名)
25.12.01 サファリランド 学生14名,教職員4名(39名)
26.02.11 雪遊び 学生19名,教職員8名(62名)
高齢者 26.02.14 高齢者訪問 学生4名,教職員2名(15名)

2.障がい児の支援と交流

2.1 活動対象と目的

本活動は,次の3つの目標に沿って実施した。
①大崎上島町の未成年の知的障がい者を対象とし,知的障がい者の社会性を身につけること及び障がい者の毎日の世話で忙殺されている家族へ息抜きの機会を提供すること。
②学生は,知的障がい者の支援・交流を通して,多様な人々への理解力とコミュニケーション力や安全確保への注意力を身につけること。
③アドバイザーとして,本校教職員,広島県立三原特別支援学校大崎分教室教員,NPO法人担当者が参加し,学生と障がい児・学生の交流が円滑に進むよう指導や助言を行うこと。

2.2 活動の企画

(1)目的に沿った活動計画
日帰りの行事で,移動バス内や目的地において,障がい者と学生の楽しい交流ができること,安全が確保できるものとした。
(2)障がい児のサポートシート(参考資料1)
サポートシートは,障がい者の状況をA4版1枚に記載したもので,学生が支援の際に注意すべき事項を保護者が作成した。障がい者の①性別・年齢・愛称に加えて,②食事・着脱衣・排泄,対人行動,音・光・接触・振動などの感覚,こだわり行動など,日常生活における認知と行動特性,③意志の表現(本人→相手)と理解(相手→本人)などのコミュニケーション力,④パニックの原因・状況と対処法などが記載されたものである。
(3)バス旅行と実施日時
バス旅行は,障がい児の体力と学寮生が多い参加学生の双方の事由から,集合8時~解散18時とした。日程は学校行事及び障がい児・保護者の行事が重ならない土日・祭日とした。
(4)移動バス
目的地への往復中においても支援・交流活動ができるよう,移動手段としてバスを利用した。50人定員バスと10人定員ジャンボタクシーを利用した。

2.2 学生の募集と事前教育

(1)学生の募集
開催日の約1ヶ月前頃から,校舎の廊下に設置している電子掲示板に掲載するとともに,各学級の教室に学生募集のチラシを掲示し,総務課企画広報室で受け付けた。バス定員の関係から,学生の応募者数に応じて,外部アドバイザーの数を調整することとしていたが,今年は特にその調整は不要であった。
(2)知的障がい児の特性と安全確保
学生が知的障がい児の一般的認知と行動特性を理解するため,事前説明会を開催した。知的障がい者の一般特性と,特に注意すべき障がい者についてはそのサポートシートに基づき,説明した。バスでの移動中トイレ休憩やレクリエーション会場での安全を確保するため,学生は複数で行動し,目を離さないこと,危険な場所へ行かせないこと(活発に走り回る児童には,特に注意すること)などを中心に説明した。
(3)学生とアドバイザーの配置
障がい児の程度・性別・年齢に応じて,学生の人数・学年・男女の構成に配慮し,各対象児・生徒に2~4名の学生を担当させ,重度の対象者にはアドバイザーを配置した。

2.3 活動の実施

(1)対象者・家族との対面・打合せ
フェリー内で学生は対象児・生徒と家族との対面を行い,サポートシートを参考に家族との打合せを行った(行程:集合→フェリー→バス→目的地→バス→フェリー→解散)。
(2)往きのバス内での交流
障がい者と学生は後部座席に着席させ,移動中のバス内で交流できる体制とした。年齢の低い対象者が賑やかで,自然とお互いの緊張感が解れた。保護者と教職員は前部座席に着席し,保護者同士,保護者とアドバイザー(本校教職員・特別支援学校教員・NPO法人関係者)で意見交換を行った。団体行動が極めて困難な対象者1名とその家族,学生4名,アドバイザー1名は,別に用意したジャンボタクシー(10人乗り)で移動した。トイレ休憩では,駐車場での安全確保,排泄時の支援などを行った。
(3)現地での支援と交流
現地では,見学や遊びなど,一緒になって交流を深めた。安全に留意して,排泄の支援などを行った。昼食は,参加者全員で大きな休憩室に集合して食事を行い,楽しい一時を過ごした。
(4)復りのバス内での交流
復りのバス内は,対象者と学生の関係は,担当の区別なく,賑やかな交流を行った。
(5)終了後のお礼と感想
帰りのバスの中で,保護者からのお礼と学生からの感想が述べられた。また,大崎上島・白水港での解散式後も,しばらくは別れを惜しんでいた。

サファリ-1
バス内での交流(往き)
サファリ-2
フェリー内での交流(復り)
サファリ-3
全員で集合写真
写真1.学生と障がい児との交流-サファリランド(山口県秋吉台)
雪遊び-1
初めてのそり
雪遊び-2
雪合戦
雪遊び-3
全員で集合写真
雪遊び-4
楽しい昼食
写真2.学生と障がい児との交流-雪遊び(広島県芸北高原大佐スキー場)

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