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櫂伝馬競走への支援(沖浦)

沖浦地区秋季例大祭と櫂伝馬競漕への支援について

柴山 慧,澤田 大吾,上杉 鉛一(一般教科),
木下 恵介,内山 憲子(商船学科),
濱田 榮(総務課),長谷川 尚道(地域連携コーディネータ),
松島 勇雄(電子制御工学科),川本 亮之,御堂 渓(大崎上島町役場)

概要 大崎上島の沖浦地区で毎年行われている秋季例大祭は,恵比須神社からご神体を神輿に乗せて運び出し,さらに,御座船へ載せ換えて,お旅所まで櫂伝馬によって曳航し,また神社へ還御してくるというものである。櫂伝馬は参加地区の人口減少が続いてきたことにより,開催規模の縮小を余儀なくされてきた。これに歯止めをかけるべく,24名の本校学生による人的支援活動を実施した。具体的には10月7~9日に現地で行われた練習会と,10月11日当日の神輿かつぎから,櫂伝馬による曳航,地区ごとの懇親会へと学生を参加させた。今回の参加学生は公募と本校教職員による声掛けで集めたが,今までこのような活動に参加してこなかった学生の参加もあり,予想よりも多くの学生が参加した。結果として祭も無事,盛況に終わることができたが,地域からの要望と本校が実施可能な活動の調整という点において課題も残ることとなった。

キーワード 教育/地域貢献/櫂伝馬競漕/ボランティア/国際交流

 1.はじめに

大崎上島の沖浦地区で毎年行われている秋季例大祭では,地区の人口減少が続いてきたことにより,開催規模の縮小を余儀なくされてきた。この祭では,恵比須神社からご神体を神輿に乗せて運び出し,さらに,御座船へ載せ換えて,お旅所まで櫂伝馬によって曳航し,また神社へ還御してくるというものである。櫂伝馬は三里浜,上の谷,中浜,木越と計4地区による参加である。力仕事や長時間の櫂伝馬による曳航など体力に自信のある人手を大量に確保する必要があるが、近年ではそれが難しくなってきていた。これに歯止めをかけるべく,昨年より本校学生による人的支援活動をCOC事業の一環として実施して,昨年は16名,今年は24名での支援規模となった。

2.内容

櫂伝馬を漕ぐには漕ぎ手がタイミングを合わせる必要があるため当日までの練習が鍵となってくる。そこで,10月7~9日の19時~21時に現地で行われた練習会に,10月11日の当日は8時からの神輿かつぎから,櫂伝馬による曳航,地区ごとの懇親会へ学生は参加をした。場所は大崎上島沖浦にある三里浜,上の谷,中浜,木越の4地区である。
当初は本校カッター部の学生を主力にする予定であったが,試合が近いこともあり,一般の学生から広く公募すること,教職員による声かけで人数を確保することとなった。具体的には,M5から中川(嵩斗),佐藤,藤原,C4から合原,堤,M3から菊池,今川,宮川(恭),嘉味田,矢原,東根,和高,吉田,C3から川窪,スマイ,山縣,M2から上原,久山,岡田,C2から栗原,西本,D2から庄野,河野(和),中川(裕)と計24名が参加した。(M:商船学科,C:電子制御工学科,D:流通情報工学科)

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3 .成果

今回は募集人数が20名以上であったため,参加学生の確保に難航すると思われたが,寮生を中心にひとりひとり聞いていくと,普段はおとなしい学生からも積極的な返答が返ってきて,すぐに20名を超えることができた。自分から積極的に募集への申し込みはできないが,内心ではこのような活動に参加したい学生は多くいるということが分かったのは,この活動を通しての大きな収穫である。しかも,そのうち1名にカンボジアからの留学生がおり,直接日本の文化へ触れるいい機会となり,地域住民にとっても身近な国際交流ができる場となった。
また,祭当日の懇親会では地域住民から今回の支援活動についての謝意をいただくことができたが,要望として懇親会後ももう少しゆっくり学生たちと懇談する時間が欲しかったこと,練習時間についても地域住民も送迎に協力するので時間を長くしてほしいという2点があった。学校が主催する事業の一環ということもあり,全ての要望を聞き入れることは難しいが,次年度は今年度の反省を,また,実際に参加した学生の想いなども聞き取ったうえで,事前に地域住民との話し合いの場を持ち,さらなる支援活動を展開する必要があると感じた。

4.まとめ

大崎上島の沖浦地区で行われている秋季例大祭は参加地区の人口減少が続いてきたことにより開催規模の縮小を余儀なくされてきた。これに歯止めをかけるべく,事前の櫂伝馬競漕練習会と祭当日の神輿かつぎ,櫂伝馬による御座船曳航,懇親会に本校学生を動員しての人的支援活動を実施した。今回は今まで学校主催の地域貢献活動へ参加してこなかった学生の参加もあり,本校学生のボランティア活動への意識の高まりを感じることができた。また,祭の盛り上がりにも貢献することができたと考えるが,地域からの要望と本校が実施可能な活動の調整という点において事前のニーズの把握,調整の必要性を痛感することとなった。

参考文献
1)松木雅文:子ども櫂伝馬競漕における心拍数変動と運動強度の推定,広島商船高等専門学校紀要10,pp.187-194 広島商船高等専門学校(1988)
2)安富敏雄:瀬戸内の舟競漕,日本体育学会大会号(47),pp.642(1996)
3)石井浩一:瀬戸内の櫂伝馬競漕–身体技法の変化と不変化, 体育の科学(48),pp.891-896,杏林書院(1998)
4)高津勝:和船競漕考-社会史的アプローチ,一橋大学スポーツ研究,22,pp.35‐44(2003)
5)安藤淑子:大学の地域貢献における学生ボランティア活動の評価と位置付け,山梨県立大学国際政策学部紀要2,pp.7-15(2007)
6)桜井政成:「地域活性化ボランティア教育の深化と発展」:サービス・ラーニングの全学的展開を目指して,立命館高等教育研究第7号,pp.21-40(2007)
7)馬場宏:移りゆくとき,聖恵授産所(2007)
8)大崎上島町教育委員会:住吉祭・櫂伝馬と古社八幡神社秋祭り,pp.2-24,大崎上島町教育委員会(2012)
9)柴山慧,御堂渓:大崎上島住吉祭における櫂伝馬競漕関係者の意識について,広島商船高等専門学校紀要37,pp.77-85(2015)

(公開:平成28年5月)

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